そのセミナーで、 主催者のイスラエルのためのヨーロッパ連合とエルサレム司法研究 所は、 中東における人権の侵害について懸念するすべての人々に対して、 イスラエル政府に求めるのと同様に、 パレスチナ自治政府の指導者に対しても綿密な監査を要求すべきだ と訴えた。
エルサレム司法研究所からの基調講演者であるカレブ・ マイヤーズ氏は、 自身が絶えずイスラエル政府に人権と公正に関して働きかけ続けた ことを指摘した。そうすることに成功し、 イスラエル社会に独立した司法制度ができた。
「同等の権利をパレスチナ自治政府の指導者に求める間に、 パレスチナやヨーロッパの人権団体は何をしてきたのでしょうか? 」と問いかけた。
「単純な真実は、 パレスチナ自治政府の支配のもとに生きている人々は最も基本的な 人権が擁護されておらず、 自分たちの指導者に対して訴える独立した司法制度を持っていない ということです。それどころか、社会は暴力、 恐怖そして脅しによってコントロールされています。今年の初め、 パレスチナ人活動家が、PLOの指導者ムハンマド・ アッバス議長についての冗談を自分のフェイスブックに載せたため に一年半投獄される宣告を受けました。 これは私にとって深刻な憂慮すべきことです。 私が住んでいる所からたった40キロ離れた場所で起こっているこ とですから。」マイヤーズ氏はこう説明した。
「私の人権は擁護されているのに、 なぜ彼の人権は守られないのでしょうか?」
このセミナーのテーマは「隠されている権利の侵害」で、 これらの人権侵害がパレスチナ自治政府指導部によって行われてい るため、 西側メディアのほとんどがパレスチナ自治区内で起こっている専制 的な投獄や拷問、 そして侮辱的な扱いを含む人権侵害をあえて報道していない事実を 指摘した。 フィンランドの主要メディアはイベントには招待されても事実を暴 くことには失敗している。
共催者であるイスラエルのためにヨーロッパ連合のトマス・ サンデール氏は、パレスチナ自治政府当局が毎年EUから5億ユー ロを超える援助金を受け取っていながら、EUは、 適切な方法で人権侵害について対処することに失敗している、 と指摘した。
「このレベルの経済的な支援は、 適切な説明責任とより大きな基本的権利に対する尊重が求められる 。今日われわれはその双方において失敗している」 とサンデール氏は述べた。
「中東での人権の促進を求める人々は誰しも、 その地域の唯一の民主義国家であるイスラエルの信用を疑うことに ばかり焦点をあてるのではなく、 新たな民主国家を建てようにすべきだ。別の、 鎮静力を持つ急進的なイスラム国家の創設は誰を助けることになら ない。」と述べた。
カンファランスの議長役のIna Litma氏は、聴衆に、1948年になされた、 パレスチナ人を含むすべての人に適応される人権についての国連の 普遍的な宣言を思い出させた。 クリスチャンのイスラエルの友人として、 我々はパレスチナ人に対しても同様にこれらの権利を支援したい。
このイベントで、聴衆は、国会議員であるJouko Jääskeläinen と、現在はフィンランド、 英国にそれぞれ住んでいる二人のパレスチナ人から話を聞いた。 この二人のうちの一人「クリスティ」は、 もしパレスチナの指導者を批判したことが判明したら自分と自分の 家族の命が危険にさらされることを恐れて名前だけしか明かさなか った。スコットランドからのスカイプでのインタビューで、 彼女は、公での議論が可能になるために、 パレスチナ自治区にもっと自由を、 そしてさらなる人権の尊重が与えられるように彼らの政府の指導者 に対して強く要求してほしいと訴えた。
ガザで育ち、現在はフィンランドで暮らすAhti El Massri 氏もまた、 その地域の危機を解決するために外国からのさらなる関与と支援を 歓迎した。 パレスチナの指導部がイスラエルだけを非難しているにも関わらず 、 彼は自分たちの指導部自身が多くの困難を引き起こしていることを 認めた。
「悲しいことに、たくさんの国際支援から利益を得ているのは、 ほとんどが指導者たちで民衆ではないのだ。 自分たちの指導者に対する厳しい非難をする一方で、彼はまた、 西側諸国はすべてのアラブ人を潜在的なテロリストとみるのではな く同じ人間として見るべきであると警告した。 争いを解決するために必要なのは、憎むのではなく愛することだ。 」と語った。
ヨーロッパでのパレスチナの人権週間はイスラエルのためのヨーロ ッパ連合とエルサレム司法研究所によって組織された。 水曜日の夜の公開セミナーに加えて、 その週は議会のメンバーや政府当局者やメディア、 教会の代表者たちとの会議も行われた。