2013年4月11日木曜日

ヨーロッパでの第一回パレスチナ人権週間:「パレスチナの指導者たちは説明責任を果たすべき」

ヘルシンキ 2013411日‐ ヨーロッパでの第一回年次パレスチナ人権週間が、水曜日の夜、ヘルシンキ大学での公開セミナーをもって終了した。

そのセミナーで、主催者のイスラエルのためのヨーロッパ連合とエルサレム司法研究所は、中東における人権の侵害について懸念するすべての人々に対して、イスラエル政府に求めるのと同様に、パレスチナ自治政府の指導者に対しても綿密な監査を要求すべきだと訴えた。

エルサレム司法研究所からの基調講演者であるカレブ・マイヤーズ氏は、自身が絶えずイスラエル政府に人権と公正に関して働きかけ続けたことを指摘した。そうすることに成功し、イスラエル社会に独立した司法制度ができた。

「同等の権利をパレスチナ自治政府の指導者に求める間に、パレスチナやヨーロッパの人権団体は何をしてきたのでしょうか?」と問いかけた。

「単純な真実は、パレスチナ自治政府の支配のもとに生きている人々は最も基本的な人権が擁護されておらず、自分たちの指導者に対して訴える独立した司法制度を持っていないということです。それどころか、社会は暴力、恐怖そして脅しによってコントロールされています。今年の初め、パレスチナ人活動家が、PLOの指導者ムハンマド・アッバス議長についての冗談を自分のフェイスブックに載せたために一年半投獄される宣告を受けました。これは私にとって深刻な憂慮すべきことです。私が住んでいる所からたった40キロ離れた場所で起こっていることですから。」マイヤーズ氏はこう説明した。

「私の人権は擁護されているのに、なぜ彼の人権は守られないのでしょうか?」

このセミナーのテーマは「隠されている権利の侵害」で、これらの人権侵害がパレスチナ自治政府指導部によって行われているため、西側メディアのほとんどがパレスチナ自治区内で起こっている専制的な投獄や拷問、そして侮辱的な扱いを含む人権侵害をあえて報道していない事実を指摘した。フィンランドの主要メディアはイベントには招待されても事実を暴くことには失敗している。

共催者であるイスラエルのためにヨーロッパ連合のトマス・サンデール氏は、パレスチナ自治政府当局が毎年EUから5億ユーロを超える援助金を受け取っていながら、EUは、適切な方法で人権侵害について対処することに失敗している、と指摘した。

「このレベルの経済的な支援は、適切な説明責任とより大きな基本的権利に対する尊重が求められる。今日われわれはその双方において失敗している」とサンデール氏は述べた。

「中東での人権の促進を求める人々は誰しも、その地域の唯一の民主義国家であるイスラエルの信用を疑うことにばかり焦点をあてるのではなく、新たな民主国家を建てようにすべきだ。別の、鎮静力を持つ急進的なイスラム国家の創設は誰を助けることにならない。」と述べた。

カンファランスの議長役のIna Litma氏は、聴衆に、1948年になされた、パレスチナ人を含むすべての人に適応される人権についての国連の普遍的な宣言を思い出させた。クリスチャンのイスラエルの友人として、我々はパレスチナ人に対しても同様にこれらの権利を支援したい。

このイベントで、聴衆は、国会議員であるJouko Jääskeläinen と、現在はフィンランド、英国にそれぞれ住んでいる二人のパレスチナ人から話を聞いた。この二人のうちの一人「クリスティ」は、もしパレスチナの指導者を批判したことが判明したら自分と自分の家族の命が危険にさらされることを恐れて名前だけしか明かさなかった。スコットランドからのスカイプでのインタビューで、彼女は、公での議論が可能になるために、パレスチナ自治区にもっと自由を、そしてさらなる人権の尊重が与えられるように彼らの政府の指導者に対して強く要求してほしいと訴えた。


ガザで育ち、現在はフィンランドで暮らすAhti El Massri 氏もまた、その地域の危機を解決するために外国からのさらなる関与と支援を歓迎した。パレスチナの指導部がイスラエルだけを非難しているにも関わらず彼は自分たちの指導部自身が多くの困難を引き起こしていることを認めた。

「悲しいことに、たくさんの国際支援から利益を得ているのは、ほとんどが指導者たちで民衆ではないのだ。自分たちの指導者に対する厳しい非難をする一方で、彼はまた、西側諸国はすべてのアラブ人を潜在的なテロリストとみるのではなく同じ人間として見るべきであると警告した。争いを解決するために必要なのは、憎むのではなく愛することだ。」と語った。


ヨーロッパでのパレスチナの人権週間はイスラエルのためのヨーロッパ連合とエルサレム司法研究所によって組織された。水曜日の夜の公開セミナーに加えて、その週は議会のメンバーや政府当局者やメディア、教会の代表者たちとの会議も行われた。