2015年1月30日金曜日

ECI主催、クラクフでアウシュビッツ70周記念開催


- ユダヤ人が脅える欧州であれば、それはもはや欧州ではない

【クラクフ】 2015年1月27日火曜日の午後、アウシュビッツ解放70周記念式典が行われ、閉幕した。ECIは、クラクフにあるユダヤ人コミュニティと共催で、クラクフのシナゴーグで記念コンサートを開催した。ここは、アウシュビッツからわずか1時間程の場所にある。

冒頭のスピーチのメインテーマは、この意義深い70年間と、現在、ヨーロッパで増加するユダヤ人への脅威であった。

ハラルドECI会長は冒頭の挨拶の中で、式典の共同主催者、ホルコースト生存者であり、クラクフ・ユダヤ人コミュニティ長官でもあるタデウ氏に向かい、欧州に1800年間続いたクリスチャンの反ユダヤ主義に対して、その結果、600万人ものユダヤ人が殺された事柄に対して、公に謝罪した。「私は、ドイツ人として、クリスチャンとして、赦して頂きたいのです。」

コンサートは国際色豊かで、世界中からクリスチャンの指導者らが集い、ホルコーストから学び、今日の厳しい時代の中にあって、ユダヤ人とイスラエル国家に立つことを確認した。

米国のユダヤ人コミュニテイのダビデ・ハリス事務局長は、基調演説の中で、ユダヤ人であるがゆえにヨーロッパに逃げなければならなかった親族の物語を語った。「ユダヤ人が何故にナチスに殺されなければならなかったのでしょうか。」

ハリス事務局長は、アウシュビッツ記念館の米国代表団でもあるが、トゥールーズ、ブリュッセル、パリで起きた痛ましい襲撃事件というよりも、ユダヤ人の虐殺について警告した。また、ユダヤ人とイスラエル国家に間に関わる事柄を否定する人々に対して戒めた。「もし1930年代にイスラエル国家が設立されていたのなら、どれだけ多くのユダヤ人が救われていたことでしょうか。ヒットラーがユダヤ人をドイツから追放しようとした時、ユダヤ人を快く受け入れようとしていた国はなかったのです。その数年後、ユダヤ人の大量虐殺が始まりましたが、その時でさえ、ユダヤ人は行く場所がなかったのです。」

記念式典の主賓である、ティム・アップパール・カナダ政府国際文化庁長官は、今日直面している新たな脅威に対して、イスラエルとユダヤ人を擁護する立場に立つことを政府として改めて表明した。また、反ユダヤ主義の増加に対して関心があることを公に表明した。

新しいEU外交政策のフレデリカ長官は、「ユダヤ人の両親が子どもを学校へ行かせることができないヨーローッパであれば、それは、もはや、ヨーロッパではありません。」 トマスECI創設長官は、この言葉を引用し次のように語った。「過去三千年の欧州の歴史の中で、ユダヤ人の貢献がなかったとしたら、もはやそれは欧州ではないと言えるでしょう。ユダヤ人は苦しめられるためにあるのではなく、祝福され、尊敬され、助けられているがゆえに感謝されるべき存在なのです。」

式典ではパリからコロール・バッハ・アンサンブルの演奏を楽しめた。グループの名前は、ユダヤ人の民族音楽クレズマとバッハから由来して組み合わせれたものである。会場は海外からの来客、高官らで満席であり、最後は、ポーランドの国歌とイスラエル国家ハティクバで締めくくられた。