2016年10月18日火曜日

ECIプレス10月号


ECI、ユネスコの採択に反対で国連事務総長と一致
―決議案は欠陥があり国連のシステムの信頼を損なうもの

2016年10月17日【ニューヨーク】 国連事務総長のオフィスでの私的会談で、イスラエルのためのヨーロッパ連合は、エルサレムの聖地とユダヤ人のつながりを否定した最近のユネスコの決議案を非難した。

会談の中で、エドモンド・ミュレ官房長(写真)はパン・ギムン事務総長は、木曜日に採択されたユネスコの決議案に深く失望していたことを明言した。日曜日、パン・ギムン事務総長は、神殿の丘はユダヤ教徒にとってもキリスト教徒にとっても聖地であり、聖地ついて疑う余地のないこの共通認識を否認することに同意することは、平和に貢献するものではなく、ただ暴力と過激主義を増長させるだけのものだとの公式声明を発表した。そして関係者全てにエルサレム旧市街の聖地のつながりに関してこれまでの認識を支持することを求めた。

この決議案は世界中のユダヤ人コミュニティーに大きな騒ぎを巻き起こし、ユネスコのイリナ・ボコバ事務局長自身もまた、この決議案は事務局長に支持されたものではなく一部の加盟国によるものと明言、この決議案を快く思っていないとの声明を公式に発表した。

2011年、パレスチナ自治政府がメンバーシップの基準を満たしていないにもかかわらずフルメンバーとして受け入れられた時、最初、ECIは国連の教育科学文化機関が乗っ取られる危険性があると警告した。以来、パレスチナ自治政府はイスラエル国家に対する政治的復讐を始めることで、ユネスコを自らの政治目的のために悪用している。

執行委員会はすでに、4月にエルサレムの神殿の丘とユダヤ人とのつながりを否定する決議案を出していた。これは数カ月後の7月にイスタンブールで行われたユネスコの世界遺産委員会でも提出されたが、未遂に終わったトルコの軍事クーデターのため延期された。新しい採決は10月26日にパリで行なわれる。

「3000年にわたるユダヤ人とエルサレムのつながりという歴史的事実を否定する政治化された決議案は国際システム上の信頼を損なう危険がある。」とECI創設責任者のトマス・サンデールはニューヨークで警告した。

「もし不審な政治目的を達成するために歴史的な事実を変えられるというのなら、すぐにでもサン・ピエトロ大聖堂とクリスチャンに一切の関わりを認めない決議案を出すことができるだろう。もしこのような論理に従うなら、次のステップとしてイスラム教とメッカのいかなる関係をも否定すべきだ。

「しかしながら、文化的対話と協調の育成が設立目的の国際機関にすべての避難を浴びせる代わりに、我々は、この決議案を選択した24の国連加盟国と棄権した26の加盟国が自分の行動に責任を取るようにする必要がある。」(この決議案に反対したのはわずか6カ国だけだった。※)

「ユネスコは、歴史的な修正社会主義の舞台になるべきではなく、対話と協調の場となるべきだ。」とサンデールは結んだ。

「この扇動的なユネスコの決議案は、先週祝われたユダヤ教の祝祭日ヨム・キプール(大贖罪日)を国連が認めたような前向きの歩みに影を落とすものだ。」とECIの国連機関ディレクター、グレゴリー・ラフィティは評した。

「良い知らせは、国連事務局が現在公式にユダヤ人の文化と人類への貢献を公式に認め、尊重し始めたことだ。ユネスコの執行委員会のわずか24のメンバーが支持しただけの、欠陥のある決議案に全てのメディアが注目していることは遺憾である。我々は、ユネスコ決議案の否定的な結果を否定するべきでない、国連においてイスラエルがその素晴らしい貢献のために高く認識されているという事実を奪われるべきではない。」と述べた。

ECIは2013年から働きかけてきた国連で初めてヨム・キプールが公式に祝われた2日後の10月14日金曜日、国連事務総長のオフィスに招待された。

「我々が国連で最も高い地位にあるオフィスに招待されたことは2013年に立ち上げた文化的外交のためのフォーラムの働きが認められたことをも意味する。」とラフィティは結んだ。

※2016年10月13日のユネスコの執行委員会の投票結果

支持:アルジェリア、バングラデシュ、ブラジル、チャド、中国、ドミニカ共和国、エジプト、イラン、レバノン、マレーシア、モロッコ、モーリタニア、メキシコ、モザンビーク、ニカラグア、ナイジェリア、オマーン、パキスタン、カタール、ロシア、セネガル、南アフリカ、スーダン、ベトナム

反対:エストニア、ドイツ、リトアニア、カメルーン、エルサルバドル、フランス、ガーナ、ギリシャ、ギニア、ハイチ、インド、イタリア、アイボリーコースト、日本、ケニア、ネパール、パラグアイ、セントクリストファー・ネービス、スロベニア、韓国、スペイン、スリランカ、スウェーデン、トーゴ、トリニダード・トバゴ、ウガンダ、ウクライナ

セルビアとトルクメニスタンは欠席。