2015年12月8日火曜日

反ユダヤ主義についてのEUの新任コーデイネーター


反ユダヤ主義についてのEUの新任コーデイネーター:
「もはやカナリアが鳴かなくなる時、ヨーロッパは危険な状態になっている。」

【ブリュッセル 2015年12月4日】 12月1日(火)、欧州委員会は、反ユダヤ主義と戦う初めてのコーデイネーターが任命された。2日後の12月3日(木)、新任のカタリーナ・コーデイネーターは、ブリュッセルにあるヨーロッパ議会内でのECIのシンポジウムで「ヨーロッパ文化へのユダヤ人の貢献とその価値」について公に演説を行った。

その演説の中でヨーロッパのユダヤ人を炭鉱の中のカナリヤにたとえた。「カナリアがもはや鳴かなくなったら、ヨーロッパは危機的な状態になっている。」と警告した。

この表現は、炭鉱産業におけるカナリアの歴史的な役割を引用している。カナリアが歌い続けているかぎり、酸素の供給は十分で安全だということを鉱夫たちは知っていた。もしカナリアが死んでしまったら、即、避難した。

そのシンポジウムで、シュナーバン氏はヨーロッパにおけるユダヤ人の生命の危機と、早期の警告システムの必要性を説いた。同氏は、フランス・ティマーマンス欧州委員会第一副委員長に直接報告する。どう第一副委員長は、10月初め、ブリュッセルでのEUの会合で、反ユダヤ主義にと反イスラム嫌悪に対応する2人のコーデイネーターを任命する決断を発表した。

この新しい職務は、誰でも反ユダヤ主義的事件を経験した人に連絡をとること、またヨーロッパ内の反ユダヤ主義と戦う戦略を構築するという役割がある。シュナーバン氏は、問題は欧州連合とともにあるのではないことを聴衆に思い起こさせた。「欧州連合はホロコーストを否認することを非合法化しているが、加盟国28カ国中13カ国だけしかその方針を履行していない。」

その他の演説で、EU政府高官や欧州議会のメンバーらが、ヨーロッパ文化と価値観に対するユダヤ人の貢献について数多くの実例を挙げた。

会議の主催者であるハンヌ欧州議会議員は、ユダヤ人たちがヨーロッパで恐怖を感じるなら、もはやヨーロッパとは言えないと警告した。同氏は、近代国家イスラエルとの強力で良き関係を持つこと同様、ヨーロッパのユダヤ人コミュニティーに対するいっそうの保護を求めた。

欧州議会のリチャード・ヘンリー副大統領は、自身の出生地ポーランドでのユダヤ人の生活の長い歴史を思い起こさせた。いくかの情報源によれば、「ポーランド」という名前はヘブライ語で「安全な住まい」を意味しており、これは世界のユダヤ人口の80% 以上がポーランドに住んでいたという事実を説明する助けになっている。ナチスによる占領とホロコーストの間、ポーランドは国内のユダヤ人口の90%を失った。しかしながら、戦後ポーランドは特別なビザなしにユダヤ人をイスラエルへ帰還させた唯一の国となった。

初期のポーランドとイスラエルは、党の提携に関わりなく強力な関係を結んたので、ユダヤ人の生活がポーランドに戻ってきたと、リチャード・ヘンリー議員は説明した。

同様に、ドイツ政府のフェリックス・クライン大使は、自国ドイツのユダヤ人は、ユダヤの生活と文化の復興を体験していると語ることができた。戦後、ほとんどのユダヤ人たちはドイツでの生活は終わったと思っていたが、今日、20万人以上のユダヤ人がドイツで自国の文化を維持しながら生活しており、戦後新たに建設されたシナゴーグは2カ月ごとに公開されていると説明した。同大使はユダヤ人のドイツ移民のユニークな成功事柄は、今日また難民危機においても役立つだろうと希望を述べた。

EUの中東部門代表はスペインにおけるユダヤ人の歴史を分かち合った。スペインは1492年にユダヤ人を強制退去させた時に、自らの過去の栄光と独自性を失ったことを認めた。スペインは近年、スペイン人の祖先を持つことを証明できるスペイン系ユダヤ人の市民権承認を決定した。彼は、世界中から追放されたユダヤ人について「我々はあなたがたを失い、残念に思う」と語ったスペイン国王の言葉を引用した。

すべての演者がヨーロッパは繁栄したユダヤ人コミュニティーとイスラエル国家とのよき関係とともに豊かになっていることに同意したが、しかし、2週間前に決定された入植地域に限り商品にラベルを貼る方針に表されているように、今日イスラエルが欧州連合から公正に取り扱われているかどうかについては、明らかな不一致があった。中東及び北アフリカに対するクリスティアン・ベルガー欧州対外行動局長はガイドラインの方針の決定を「専門的事項」と呼んだが、一方、イスラエルのシュリ副大使はEUの二重基準だと非難した。

週の初めのイスラエルのベニヤミン・ネタニヤフ首相による決定のため、副大使はEUが外れた和平プロセスについて述べることは許されていなかった。

会議の主催者であるECIのトマス・ディレクターはラベルを貼る方針に失意を表し、ECIは、12月14日にブリュッセル行われる次の理事会のために、この決定の見直し求めて各加盟国の政府に遅れずに接触していくことを約束した。

「3週間前のパリ多発テロでヨーロッパが麻痺状態になった時、我々を援助し、ハノーバーやヨーロッパの他の地域でのさらなるテロ攻撃を阻止する助けに最初に来たのは、イスラエルの諜報機関幹部だった。」と語った。「ヨーロッパはイスラエルやユダヤ人コミュニティーと良い関係を持っている時いつも、よりよい状態にある。これは我々ヨーロッパの過去の歴史においてのみならず、我々の共通の未来においても真実である。」と結んだ。