2014年2月15日土曜日

2014年2月号 月間報告

ECI設立11年間で、近年ほどユダヤ人とイスラエル国家の安全が今まで以上に脅かされている年はありません。この厳しい時代の中で、私たちが経済的に支えられるようお祈りいただければ幸いです。そうすればこの支援努力も進歩していくことでしょう。

BDS運動の勢いが増しても、ECIの影響力が拡大していることを運動家が認める

【ヘルシンキ】 和平会議は最終段階に入り、ケリー国務長官は速やかな和平合意における骨格の提示に期待している一方で、イスラエルはパレスチナの要求に押されつつあります。米国務長官とEU首脳は、もし和平合意に達しなければ、イスラエルの孤立化が増すことを警告しています。つまり彼らによると、和平が合意されなければ、自動的に、イスラエルが非難され、イスラエルは孤立化すると言うのです。

ここ数カ月、オランダと北欧諸国の金融機関と企業は、西岸・ガザ地区に関与しているイスラエル企業または金融機関から脱出するために、第一段階の組織的なBDS運動(ボイコットと脱却と制裁)を実施しました。

この運動の後ろ盾には大手のマスコミがあり、私たちの税金で支えられている世界最大の民間組織と反イスラエルの多数のNGO団体で構成されています。そして、この運動の最前線には、クリスチャンが進めた団体も数多く存在するのです。

今年2月の第一週、ヘルシンキで行われた会議で、BDS運動のあるリーダーは、西岸・ガザ地区産品にしるしを付ける運動は、その目的が達成されていると、勝ち誇ったかのように語りました。彼が言うには、「今日、イスラエル産品を置くことを望むスーパーマーケットは少なくなっている。西岸・ガザ地区からの全体的な輸出は14%にまで落ち込んでいる」と。しかし、問題も増加していると言うのです。それは、昨年、ECI主導で進めた運動の結果、西岸・ガザ地区産品のイスラエル製品にしるしをつける運動に対して抗議する2千通を超える電子メールと電話を受け取ったと語ったのでした。

この例では、二つのことが証明されます。それは、ボイコットと制裁運動は勢いを増している一方で、しかし、私たちのメッセージは届けられ、私たちの声は響いているということです。

私たちの戦いは激化しています。どうか私たちの後ろ盾となり助けてください。経済的支援が今ほど必要な時はありません。イスラエルが助けを必要としている今、皆様の助けの手をどうぞよろしくお願いいたします。

ホロコースト記念日に相反するメッセージ

【ブリュッセル】 1月27日は、ECIにとって大切な日です。2005年に遡りますが、ECIは、ブリュッセルにあるEC議会で第1回目のホロコースト記念日を設立しました。今日では、欧州で公のイベントとなり、欧州議長の後援のもと、世界ユダヤ人会議、欧州ユダヤ人会議、ECIの共同で働きが進められています。これは、小さな組織の驚くべき成果でありますが、公にEU議会も関わっているという点で、マイナス面もあります。

マルティン・シュルツ欧州議会議長とアントニス・サマラス・ギリシャ首相は、2014年1月27日、ブリュッセルで、良い発言をされましが、「イスラエル」という言葉を一度も語られることがありませんでした。これは、ホロコーストの犠牲者を現在のイスラエルの国の問題解決から引き離すものであり、新しいEUの態度としては、嘆かわしい限りです。

ロン世界ユダヤ人会議議長は次のように語りました。「1930年代、ユダヤ人はどこでも歓迎されない存在でしたが、今日、常に扉が開かれた国の国民として存在しているのです。」もし、EUがイスラエルをホロコーストの犠牲者が受けた苦しみの問題と無関係にするのであれば、ユダヤ人国家を容易に孤立化させることになるでしょう。

EUのクリスチャンを集結する超教派の機関とECIは、復活の教会とペンテコステ欧州フェローシップ、欧州議会のラスズロ副総裁とともに復活の教会で超教派のホロコースト記念日を開催しました。ペンテコステ欧州フェローシップのアルト議長が、ユダヤ人と現在のイスラエル国家を祝福するべきであることを認めました。この発言は、EU議会のものとはだいぶ異なるものであり、EU全体がぜひ覚えるべきメッセージであるのです!

2014年ブリュッセルで行われたホロコースト記念日の映像をぜひご覧ください。

イギリスではロンドン南西部にあるチェルシーのカドゥガン・ホールで、ECIのメンバーであるジュディによって組織され行われました。席は満席で、おそらく欧州のホーロコースト記念では最大であると思われます。主席者には重要な外交官、年長の教会指導者、ユダヤ人指導者も出席しました。他にも、ヘルシンキ、ベルリン、ミューヘンで、ECIの重要なイベントが行われました。

もし、あなたの教会でもホロコースト記念を行われたのでしたら、どうぞ私たちにお知らせください。

ECIの努力が実を結ぶ
欧州議会、ロシアに過去の遺品を公開するよう要請

【ブリュセッル】 超教派のホロコースト記念に、ECIのトマス氏は、ユダヤ人救出のために人生を捧げた人物を思い起こす必要性について語りました。スウェーデンの外交官であったラウル・ワレンバーグはそのような人物のひとりでした。記念聖会では、ラウル氏の姪にあたるルイス・ヴァン・ダーデル(Louise von Dardel)が特別ゲストとして出席しました。

記念聖会の後、ルイスさんとトマス氏、そして、グレゴリー(Gregory Lafitte)氏は、欧州理事会の上級顧問のヘルマン理事長(Herman van Romupuy)、そして欧州議員らと会談しました。それは、議員たちが、翌日、ロシアのプーティン大統領と会談する予定であっため、この問題を提出してほしい旨を伝えるためでした。プーティン大統領とは、個別に面会することはできませんでしたが、モスクワの広報担当者は、私たちの懇願を理解し、人権擁護担当のロシア行政監察官は、「すべての過去の遺物は、調査する者たちに対して公開すべきである。」と述べたのでした。

ラウル・ワレンバーグは、1945年、ソ連軍に拘束され、その後、行方が分からなくなっています。先週、フランスのストラスブールで行われた欧州議会では、ロシア側の決議が採択され、議会は、ロシア当局の働きにより、ECIの要求に積極的に答えました。

「ロシアの過去の遺物公開の協力と、調査者にアクセスを許可し、機密関連情報を公開することは、第二次世界大戦の末期、ラウル・ワレンバーグを含む、ソ連軍に拘束された数多くの人々の運命に光を投じることができるためだ。」 70年前、ラウル氏は大量虐殺から10万人ものハンガリーのユダヤ人たちを救ったのでした。

昨年は、ラウル・ワレンバーグ生誕100周年にあたりました。来年は、ラウル・ワレンバーグが行方不明になってから70年目になります。彼の運命が最終的にどうなったのか明らかになるように祈るとともに、明らかになった折には、その日が記念日となることでしょう。

反政権派、ユダヤ人抗議に転じる!

【ブリュッセル】 ウクライナからフランス、欧州全土に広がりを見せている反政府・反体制デモは、彼らの怒りとフラストレーションの矛先が、反ユダヤ主義の中では前代未聞のユダヤ人に向けられているのです。

国際ホロコースト記念日の前日、パリで起きたビデオでは、フランスの抗議者が、大々的に反ユダヤのスローガンを唱え、フランスからユダヤ人が出て行くよう抗議したのでした。

同じような傾向は、イタリアのような他の欧州諸国でも見られます。イタリアでは、反政権組織「五つ星運動」が有名で、その不満の矛先が、明らかにユダヤ人に向けられているのです。ウクライナでは、ユダヤ人排除が公然と国のすべての問題であると非難され、反政権派との間で大抗議デモが起こっており、反ユダヤ勢力が力を増しています。

悲しむべきことに、この問題は、欧州に勃発する前から起こっていました。現在、反ユダヤ主義の勢力が路上に増大する中で、多くの国々とEUからの反イスラエル活動家が集結しているのです。

ディートリッヒ・ボンヘッファー(訳注:ドイツの古プロイセン合同福音主義教会の牧師。20世紀を代表するキリスト教神学者の一人。 第二次世界大戦中にヒトラー暗殺計画に加担したことで処刑。)の言葉を引用します。

悪に直面した沈黙は、それ自体が悪。
話さないことは、話すため。
行動しないことは、行動するため。


今日、私たちは公的領域に従事する権限と責任をもっています。ヨーロッパの魂のためのこの戦いに勝利するために、あなたがたができる助けをお願いします。

ヨーロッパ祈りのサミット 2014年3月21-23日

どうかブリュッセルで行われる「ヨーロッパ祈りのサミット」にご参加ください。この祈りのサミットに先立って、若い指導者のための特別聖会が行われます。21日のフライディナイトでは、国際的な祈りと礼拝の時であり、ブリュッセルおよびベルギーの友人たちの集会となります。詳しい内容が必要な方は、できるだけ早く、私たちにメールをください。info@ec4i.org

トマス・サンデル記 tomas.sandell@pp.inet.fi