2014年9月17日水曜日

2014年9月号 月間報告


ECI一致団結し、イスラエルのミッションへ

【エルサレム】 欧州議会員が9月の第1週、ブリュッセルで新たな5年間の任期に戻ったように、ECIメンバーは、イスラエルの人々との団結を提示するためにイスラエルを訪れた。

イスラエル訪問中、偶然にも、イスラエルとテロ組織ハマスとの停戦が合意された。軍事衝突は50日以上も続き、ガザからイスラエルに向かって、4,564発のロケット弾と迫撃砲が撃ち込まれた。2005年に、イスラエル政府は、西南の国境地域の安全確保のために、市民をガザ地域から撤退させた。平和とは別に、ハマスやユダヤ人国家を一掃することを誓ったジハードのグループが11,000以上ののロケット弾と迫撃砲をこの地域に発射した。

イスラエル国会議員であるヨエル氏(Yuli-Joel Edelstein)との団結した会合で、氏は、欧州市民がこの攻撃に影響を与えたグループについて思い起こさせた。イスラエルに撃ち込まれたロケット弾と迫撃砲は、欧州市民が経済的援助の結果であることを考えるべきであると。

「何千発ものミサイルに費やされた資金で、どれだけの家が建設されたでしょうか。もし、ガザ当局が、テロリストのトンネルを作る代わりに、その資金をガザの人々のために有益に使っていたなら、どれだけの学校と病院が建設されたでしょうか。

1つのトンネルを作るのにおよそ300万ユーロかかります。イスラエル政府軍はその内の30のトンネルを破壊することができました。ですから、合計で9000万ユーロかかったことになります。欧州は、パレスチナ人に最も高額な資金を提供しています。それゆえに、指導者たちが正しくその資金を使用するよう確かめる特別な責任があるのです。」

ヨエル氏は、この危機的な時代に、ユダヤ人国家とユダヤ人のために世界的な活動と揺るぎない支援をするECIに謝意を表した。

氏は特に、ECIが国連でヨム・キプールを国連の公の祭日にする動きを率先したことについて述べた。「ユダヤ人の祭日を尊敬することは、国連だけではなく、欧州機関においても、政治的プロセスに、ユダヤ人を完全に参加させることにつながるのです。」と語った。

しかしながら、会議の大半は、高まる欧州の反ユダヤ主義について焦点が当てられた。ヨエル氏は、ECIが、2005年にブリュッセルの欧州議会にホロコースト記念を率先して設立したことを讃えた。記念日を設立することは、欧州人が致命的な結果を生み出すのではなく、この時代にユダヤ人増悪に対して、立ち上がるように呼びかけるものなのだ。

「1940年代の世界大戦において、ユダヤ人が最終的に鉄道貨車に乗せられ強制収容所へと連れられて行ったのが始まりだったのではなく、1930年代初頭、メディアで反ユダヤ主義が取り上げられ、ドイツの路上で嫌がらせが起こったのが始まりだったのです。」と、氏は語った。

「ユダヤ人に対するすべての攻撃について、人々は正当な言い訳を探そうとし、醜い反ユダヤ主義、確かに存在するこの動きに、それが何であったのかついても見ることを拒絶します。そして、現在、私たちは再び同じ過ちを犯そうとしているのです。」と、述べた。

ECIの代表として、エクケルト(Harald Eckert) と トマス・サンデル(Tomas Sandell)は、ECIはユダヤ人国家の支援を強化するために多くの取組があることを提示した。特に、アウシュビッツの解放と第二次世界大戦終戦後の70周年記念について言及した。

「時間のこの窓は、歴史から学ぶために私たちの責任の意識を高めるために非常に重要です。これは、ヨーロッパの国境で止まってはならないのです。ドイツの悲劇的な経験、ならびに他のヨーロッパでの出来事は、同時に、他の大陸と共有される必要があるのです。

世界祈りの呼びかけ(The Global Prayer Call)、1月27日(アウシュビッツから解放された日)から5月8日(勝利の日)の100日間は、イスラエルのユダヤ人の安全を守るためだけでなく、ヨーロッパにおいても同様に、ユニークな機会となることでしょう。」と、語った。

ECI、ビジョンをシャルム年次総会で語る

【シャルム】 フランスのアルデシュ県にあるシャルムの街は、ユダヤ人の正当性を語る地域として最適な場所であるといえよう。このユグノー・プロテスタントの地域は、暗い歴史の時代に、ユダヤ人にとっては安全で守られた地域であったからだ。

その最も有名な場所が、ル シャンボン シュル リニョンの村である。この小さな街は、ホロコーストの間、何千ものユダヤ人を隠した「民の正義」と言われ、ヤド・ヴァシェム(訳注:ナチス・ドイツによるユダヤ人大虐殺(ホロコースト)の犠牲者達を追悼するためのイスラエルの国立記念館)でも公に認められている、世界にただ2つしかないコミュニティのひとつだ。

今年8月、パリのECIディレクターである、ペリーヌ(Perrine Dufoix)は、「シャルムの祈りのユニオン」というクリスチャンのネットワークの年次総会に出席した。開催場所はまさにこのシャルムであり、フランスの全地域から、ベルギー、スイスからもシャルムに集い、ユダヤ人のために熱心にとりなしの祈りがささげられた。

シャルムの村は実際的にも霊的にも影響力を与えた地域で、1930年代神学者ルイはこの地域で活動し、その信仰はこの地域をはるかに超えて影響力を及ぼした。ペリーヌは、ECIは、反ユダヤ主義があるという意識を高めるために、今日、欧州の政治的指導者と協力する使命があることを説明した。

「2014年と1944年の大きな違いは、今は、ユダヤ人が安全で住まう国家、イスラエルが建国されているという点です。もし異なる民族のグループが今のユダヤの民に背を向けるなら、彼らが自国の国をもつことになります。ユダヤ人国家の存在が致命的である理由はここに説明できます。

ですから、私たちはユダヤ人国家の存続のためにも、政治指導者と協力して働きを進めるが必要があるのです。現在、フランスを去るユダヤ人の数が記録的に増えています。多くの者たちは、フランスを離れ、イスラエルに住もうとしています。」

総会の後、多くの出席者がペリーヌに感謝を述べ、再び、ユダヤ人のために助けの手を上げるために立ち上がる役割がクリスチャンにあることを確認した。

ECIのミッションは、さらに多くの欧州人が、70年前と同じように、ユダヤ人に勇気を与える役割を担う必要があるためであることを、確かなものとした。

シャランスキー氏、「EUで新しい閣僚が立った5年間は、ヨーロッパでユダヤ人の終わりの始まりがスタートする」と警告

【ブリュッセル】 ユダヤ機関官長のナタン・シャランスキー氏は、「もし現在のユダヤ人増悪と反ユダヤ人デモがやまないなら、ヨーロッパにおけるユダヤ人の終わりが始まることになろう。」と警告した。彼は歯に衣着せぬ元ソ連リュフゼンニック(訳注:イスラエルの移住を拒否された元ソ連人)で、欧州の寛容と多様性に一言述べた。

氏は、「ヨーロッパは、自由と寛容の価値観の共有を求めない民に移民の門を開きました。また同時に、多くのヨーロッパ人は少数民族を敵対する右翼政党に急速に傾き始めているのです。」と語った。

氏は、ユダヤ人は、ヨーロッパに融合するか、または離れるかの選択に分かれてきているとも分析している。イスラエル政府ディアスポラ省のナフタリ・ベネット氏はこのように警告した。「すべてのユダヤ人は、反ユダヤ主義の台頭の結果、イスラエルに帰還している一方で、ユダヤ教とユダヤの生活習慣から切り離れていく者たちも多くいる。」

EUの新しい指導者がこの記述にどのような反応するかは、まだ明らかではない。先週、EUの新しい組閣が発表され、新しいEUの指導者がポジションに付いた。

ポーランドの首相ドナルド・トゥスク氏が、新しいヨーロッパ連合大統領(欧州理事会議長)となり、イタリアの外相フェデリカ・モゲリーニ氏が、キャサリン・アシュトンに代わりに、EU外交安全保障上級代表となった。欧州議会議長(マーティン・シュルツ)と欧州委員長(ジャン=クロード・ユンカー)は、6月に任命されている。

この4人の指導者のうち、2人は親イスラエルであることが知られている。2012年、マーティン・シュルツ氏が欧州議会議長に初めて就任した時、ECIと共催でホロコースト記念礼拝を開いた。彼は声明の中で、「私がやるべき最初の仕事は、ユダヤ人のために、イスラエル国家のために立ち上がることです。」と述べた。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は、親イスラエルであると思われる。他の2人のEU指導者は、ユダヤ人国家との関係に問題があると見ている。

ECI、来るべきと年に優先順位を設定

【ブリュッセル】 ヨーロッパで新しい組閣が設立されたために、次期5年は、ECIにとっても、イスラエルを支援する者たちのとってもチャレンジの年となることであろう。ECIはこの年に優先すべき事項を挙げてみた。

イスラエルの法的基盤: 7月、欧州委員会はユダヤ人の西岸(ユダヤとサマリア)への要求を弱体化させる目的で、西岸地域からの鶏肉輸入を禁止した。EU側は、イスラエル省が西岸地域にある養鶏所の家禽水準を保証できていないとしている。

ECIは、継続して、議会、政府に、1920年に採択されたサン・レモ決議にまで遡り、現在のイスラエル国家の法的正当性を主張し続けている。イギリス委任統治領パレスチナでは、将来的な和平合意に関わらず、ユダヤ人が、ユダヤとサマリアに定住することができる権利を与えている。

国際法の不正使用: 2010年以来、ECIは、法律相談役のアンドリュー・タッカーの指導の下に、国際法に基づき、国際的な法的制裁に対して、イスラエルを保護する活動を進めてきた。国際法の不正使用は、次期期間においても優先的に確認すべき事柄だ。イスラエルとパレスチナ間の紛争は、話し合いで解決すべきであり、貿易制裁や国際法の不正使用で解決すべきではないことを、ECIは改めて表明した。

反ユダヤ主義: 反ユダヤ主義が高まってきた結果、ECIが2003年に設立された。もし、事態が悪ければ、欧州のネオ・ナチ政党とイスラム過激派による欧州の急進政党により、反ユダヤの動きはますます悪化していったことであろう。この両政党とも欧州のユダヤ人にとっては脅威である。この政党はしばしば極左勢力と手を組む。これらの過激派グループに加え、神学的見解からユダヤ人をさけ、イスラエルを目の敵にし、イスラエル国家をサタン扱いにするキリスト教のグループにも絶えず目を留めている。

増悪教育: 増悪教育のEU資金は和平のための主要な妨害であり、パレスチナ人に増悪を燃え立たせることにつながる。2005年に遡ると、ECIは、EUがパレスチナ当局に与える資金をどうすべきなのか概要を説明した。この説明によって、初めて、パレスチナへの資金調達が初めて凍結された。私たちはさらに努力を成長させ、EUが中東に平和を与えるべきであり、増悪を助長すべきでないことを確証している。これはまた、欧州同様、イスラエルの反イスラエルのNGO団体の資金凍結にもつながるのである。

文化外交: 近年のECIの大きな成果は、ニューヨークにある国連での文化外交であろう。2年前、ECIはホロコーストを否定する誤った情報を正すよう国連総会に提出し、その運動を国連事務総長が応じた。この声明によって、それ以降、国連事務総長がホロコーストを否定することはない。

昨年、ECIはヨム・キプールのユダヤの祭日について、国連が認識されるべく、国連にあるイスラエルがより働きやすい環境を作る努力を進めてきた。もともとは、5月12日、国連の昼食会の時に、イスラエル政府が出した提案であった。

多くの国々はユダヤ人国家を知ろうと歩みよったが、さらなる土台が必要であった。ECIは、ソフトパワー外交で、その土台作りを提示する役割を喜んで担った。

これらすべての努力には、資金と人材が必要であったが、多くの助けと、献金をお送りいただき、心から感謝している。


この日を覚えてください

2014年11月20日-21日、ブリュッセルの欧州議会で、年次政策会議が開かれます。

世界祈りの呼びかけ(Global Prayer Call)

「イスラエルのためのクリスチャン」「エベンエゼル」と「ECI」で、下記2つの祈りのカンファランスを開催します。

・2015年1月25-29日、ポーランドのクラクフで、GPC(世界祈りの呼びかけ)が行われます。
・2015年5月10-12日、エルサレムで、GPC(世界祈りの呼びかけ)が行われます。
(今年の祈りのサミットで合意されたように、来年の祈りのサミットはエルサレムで開催されます。この祈りのサミットは、GPCの一部となる予定です。)

詳細は後ほど。

トマス・サンデル記

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