2016年8月15日月曜日

2016年8月 月刊報告


7月という月は北ヨーロッパのほとんどは休暇の期間で、ヨーロッパの機関もブリュッセルでは7月中頃は閉まっている。しかしながらイスラエルとヨーロッパの敵に夏休みはない。この報告書に見られるように、休暇シーズン中もイスラエルと我々のヨーロッパ大陸はテロ攻撃の脅威にさらされている。これに加えて、イスラエルは国際外交の舞台で新たなる国際法の不正使用キャンペーンに直面している。どうか今夏、我々がイスラエルとともに立つ時に、我々とともに立っていただきたい。

イスラム過激派による夏のテロ、欧州を襲う

【ブリュッセル】 この月刊報告を編集している時、ヨーロッパの中心地での前代未聞のイスラム過激派によるテロ攻撃の時代到来を目撃した。ニース、ヴュルツブルグ、ミュンヘン、ロイトリンゲン、イスタンブールまたはサン=テティエンヌ=デュ=ルヴレでの野蛮なテロ攻撃を詳細にわたって記載するには、ここは適切な場ではない。ヨーロッパは、中東での恐ろしい現実にこれまで以上に目覚め始めている。中東では隠蔽された独裁政権といった形か、あるいは過激派組織ISのような野蛮なテロリスト集団によって、イスラム過激派のテロは日常の一部となっているのだ。

ECIは長年にわたり、イスラエルの地でのテロ攻撃を占領に対する反発だと正当化し黙認することの結果を警告し続けてきた。これらの解釈は今や古びたものとなり、我々は同じテロに、ここヨーロッパの中心地で直面している。もし我々が過去に欧州連合の対応の論理に追従していたら、今頃、我々はただ座ってテロリスト達と交渉するしかなく、おそらく領土のいくらかをイスラムのカリフの統治に属するものとして、あるいはただイスラムの武力に服従して諦めなければならなかっただろう。これには選択の余地がない。

それどころか、今こそヨーロッパが現代のイスラエル国家こそ中東で唯一の同盟国だと気づき、イスラエルの過激派イスラムとの長きにわたる戦いにから学ぶべき時だ。

最近の移民についての討論の中で、我々は中東から逃げている移民に対してクリスチャンの一致団結を表す必要があると指摘されている。ヨーロッパが彼らや他の避難民に安全な避難所を提供するため、ヨーロッパはユダヤ教とキリスト教に根ざす大陸だということを思い起こし、新たな中東になってはいけない。

あるいは、「何も信じない文明社会は、究極的には何かに服従することになる。」これをBret Stephensがウォールストリートジャーナルの最近の特別ページに掲載した時、彼はその素晴らしい記事の中で、我々がイスラエルから学ぶことのできる道徳的レッスンを指摘した。つまりアイデンティティーは偉大な自由の守護者になりうる、そして自由な社会は革新主義的な適応の中を生き残れない。

代表団が混乱のイスタンブールから避げた時、ユネスコ会議はエルサレム問題には触れず

【イスタンブール】 7月16日土曜日、未遂に終わった軍事クーデターはイスタンブールを大混乱に陥れ、国連教育科学文化機関ユネスコの世界遺産委員会の定例会議は、突然、劇的に終了した。この会議では、エルサレム旧市街の嘆きの壁はイスラム教の場所でユダヤ教やキリスト教と一切関係ないと宣言するパレスチナーヨルダン決議案について検討することになっていたが、10月24日にパリのユネスコ本部で再開することになった。

これは、エルサレムについての歴史と法律に基づく事実をユネスコの世界遺産委員会のメンバーに提示してきたECIおよび国際的な団体による数週間にわたる熱心な働きの結果だ。委員会の選抜されたメンバーに宛てた書簡の中で、ECI創設責任者のトマス・サンデールは、神殿の丘は過去数千年にわたりユダヤ教の最も聖なる場所であった事実に彼らの注意を向けた。「ユダヤ人とエルサレムの関係は3千年を超えることについては否定のしようがない。」予定されているイスタンブールでの投票に先立ってこのように記した。

別の声明の中で、投票の週の間ニューヨークでの会議で、有名な国際法学者でイスラエルについての法律の専門家であるJacques Gauthier博士はこう述べている。「神殿の丘や嘆きの壁を含むエルサレムの聖なる場所とユダヤ人との歴史的、宗教的関係は、パリ講話会議中の1919年2月27日にユダヤ人に代わって連合国に提出された声明の一部だった。列強は、国際法に基づいて定められた1920年4月25日のサンレモ会議でのこれらの歴史的主張を承認した。これらの権利は、1922年7月に国際連盟理事会によって承認されたイギリスの委任統治領パレスチナに含められた。委任統治決議は、「パレスチナとユダヤ民族の歴史的関係とユダヤ人のナショナルホーム(民族郷土)をパレスチナに確立することを承認するもの」と詳細を記している。これらの権利は現在国際法、及び国連憲章第80条の下、保護されている、とGauthierは説明している。

「UNESCOの決議案は、エルサレムの聖地に関するユダヤ人に与えられている基本的権利を侵害するもの」と結んだ。

ECIは引き続き、10月24日にパリで再開されるUNESCO世界遺産委員会の会議の行方に注意深く検証していく。この会議に関する詳細は、おってお知らせする。

パレスチナ自治政府がバルフォア宣言に関し英国を訴訟しようとする中、
ECIは法的働きを加速する

【ブリュッセル】 先月のUNESCO世界遺産委員会で、エルサレムとユダヤ人のいかなる関係をも否定した後、パレスチナ自治政府は、1971年のバルフォア宣言について英国政府を訴訟する計画で、別次元での国際法の不正使用を行っている。

しかしながら、バルフォア宣言は法的文書ではなかった。したがって訴訟を受けることはできない。イスラエルにおけるユダヤ人のナショナルホーム(民族郷土)の権利は1920年のサンレモ会議と1922年の委任統治領パレスチナ決議で承認されており、国際連合の前身である国際連盟によって満場一致で可決されている。これらの権利は国連憲章第80条によって保護されており、これらの権利の否定は国連憲章と国際法に矛盾するものである。

これはおそらく、パレスチナ国家に対する国際的な支援を確保しようとする一方で、同時にエルサレムとユダヤ人のいかなる関わりにも異議を唱え、事実を曲げてイスラエルでのユダヤ人の権利に抗議する兆候を示している。最近のこの国際法不正使用のキャンペーンと断続的な暴力の扇動と嫌悪(これは現在、カルテットによって公に認識されている)は、「平和的二国共存」の概念とは全くかけ離れたものだ。

イスラエルとパレスチ人間の紛争は現在、これらの根本的な問題に戻ってきている。
―ユダヤ人はイスラエルの地に属するのか、それとも単なる乱入者、不法侵入者なのか?

―ユダヤ人は彼らの国家に対する権利を持っているのか、あるいはバルフォア宣言、サンレモ決議、そして委任統治領パレスチナはすべて欠陥のあるものなのか?

これらの根本的な問いに対する解答は、将来のイスラエル、アラブ間の闘争を定義づけるものとなるため、ECIの法的働きは現在の最重要事項だ。

過去10年にわたるECIの働きを通して、2010年4月にサンレモ会議の90周年記念が始まり、我々は、ユダヤ人国家の法的基盤を世界の政府や議会に示してきた。この働きは、我々の顧問弁護士アンドリュー・タッカーと同様、Jacques GauthierとCynthia Wallace といった法的判断に優れた国際的な学者との協力によってなされた。

2014年以来、国際社会へのイスラエルとユダヤ人の多くの貢献についての理解を促進するために、国連での文化的外交フォーラムを通じてこの働きは拡大してきた。近代国家イスラエルの法的基盤と国連におけるその重要な役割についての説明もまた、ユダヤ人の祝日ヨム・キプール(大贖罪日)を新しい国連の公式祝日として認識することに貢献した。この働きの結果として、(また国連に対するイスラエル国会代表の素晴らしい仕事のゆえ)イスラエルは今日これまで以上に国連で強くなっている。

しかし今月の新しいニュースが証明するように、戦いは終わっていない。どうか我々のEU、国連そしてユネスコでの法的働きを促進するため、今月、惜しみないご支援をもって助けていただけないだろうか? 皆様のご支援とご協力に感謝している。

若い成人たちが祈りとネットワークのために国際的首都で会議

編集後記:毎月我々の最も重要な活動や情報の幾つかを報告している。しかしECIには一回の月刊報告に掲載できる以上のものがある。今月、ECIの若い成人たちのグループに彼らの活動を分かち合ってくれるよう頼んだ。

2012年以来、ヨーロッパの諸国からきた若い成人たちのグループは、ECIの政策と祈りのカンファランスに参加している。何人かのECIの幹部も同席しての短い会議も持たれている。

最初のより大きなECIの若い成人のカンファランスは、ECIの法律顧問アンドリュー・タッカーと数人の若き成人たちによって2014年にハーグで開催された。

その目的はイスラエル国家の法的基盤について学び、若い世代がより強固にイスラエルと共に立つための備えをすることにあった。このカンファランスのハイライトの一つはイスラエル大使館を訪問することで、ヨーロッパ中から若い成人たちの代表として、困難な状況にいるイスラエルを励ますことができた。このカンファランスの最後で、ヨーロッパからイスラエルに友好をもたらす、地政学的な側面に焦点を絞ったイスラエルへの特別旅行について祈り始めた。

2015年5月、グローバル・プレイヤー・コールの直後、ECI初の地政学的ツアーが持たれた。これはツアーの一団と会ったイスラエルの政治家、外交官、、活動家そしてジャーナリストたちと同様に参加者を励ます体験となった。30人の参加者のおよそ半数が異なる職業的背景を持つヨーロッパ各国の若い成人たちだった。

この地政学ツアーの後、これらの若い成人たちの代表たちがSkypeを通して連絡を取り合っている。このグループはフランス、フィンランド、英国、オランダ、そしてドイツからの人たちを含み、メディアや報道通信関係、政治、神学、国際法と科学技術やビジネスの分野で学んだり働いたりしている。祈りの中で、我々は、共に祈り、我々の国及びヨーロッパ大陸のため主から聞くことの重要性を感じた。

2015年10月の我々の共通の首都ブリュッセルでの会合から始めて、続く10ヶ月、それぞれの国の首都で会合を持つ。アムステルダム(1月)、ベルリン(4月)、パリ(6月)、ヘルシンキ(7月)、そして8月に行われようとしているロンドンだ。この会合では、各国の首都の重要な場所への訪問も含まれていて、例えば、他の若い活動家やイスラエルのために祈る人たちと共に集まるのと同様にパリのイスラエル大使館を訪問するといったことだ。この中核のチームは、真の友好と祈りに基をおき、神の将来の計画のために自分たちの立ち位置を求めている。そこには祈りと啓蒙と支持を通して現れているECIの精神の継承が認められる。

この期間に始まった実際的な計画は啓蒙を含む。チームとして、我々は、イスラエル・インターナショナル(http://www.isreality.org/)のための若いクリスチャンのブログに掲載するパラシャ(安息日ごとの聖書朗読箇所)についてのコメントを書いている。世界的に混乱しているこの時代に、若い成人たちにとって旧約聖書が親しみやすいものとなるように努めながら、イスラエルと諸国といったより広い枠組みでパラシャを説明するよう励んでいる。

神はヨーロッパの若い世代の中に新しいことをしておられる。それは隠され、また小さいが、しかし純粋な愛と国境を越える友情と共に始まっている。神の民イスラエルと神の約束の地に関する理解を分かち合うことにおいて建て上げられ、ヨーロッパ各国と全体の上に神の祝福を求めている。大いなることがこれからやってくるのだ!

ECI若い成人のグループについての詳細については、info@ec4i.orgにご連絡ください。

(写真:2016年6月、パリのイスラエル大使館でのECI若い成人グループ)